三尊(ヘッドアンドショルダー)は、3つの山のうち真ん中(ヘッド)がいちばん高く、左右の肩がほぼ同じ高さになる天井の反転パターン。左右の谷を結んだネックラインを割ると、上昇から下落へ転換する。逆三尊はこれを上下反転した底のパターン。ダブルトップより攻防の回数が多いぶん信頼度が高いとされるが、成立はやはりネックライン割れから。肩が見えた段階では“候補”にすぎない。
三尊(さんぞん)は、仏像が3体並んだ姿に見立てた呼び名。真ん中が高く、両脇が低い、あの形だ。英語ではヘッドアンドショルダー ―― 頭と両肩。天井を知らせる代表的なサインとして、昔から意識されてきた。
三尊=3つの山、真ん中が頭
上昇してきた価格が高値をつけて下げ(左肩)、また上げて前より高い高値をつけて下げ(頭)、3度目に上げるが頭には届かず失速する(右肩)。この3つの山と、左右の谷を結んだネックラインでできるのが三尊だ。
意味はシンプル。高値を更新できたのが真ん中の1回だけで、3度目(右肩)は前の高値に届かなかった。買いの力がだんだん弱っている証拠で、ネックラインを割ると下落に転じやすい。逆三尊は上下逆で、底で3回踏ん張って上昇に転じる形になる。
なぜダブルトップより強いとされるのか
ダブルトップが「2回跳ね返された壁」なら、三尊は「3回の攻防のすえに、高値更新が続かなくなった」形。買い方が頭で一度は高値を更新したのに、右肩でそれを維持できなかった ―― この“失敗の確認”が入るぶん、天井としての説得力が一段強い。多くのトレーダーが同じ形を見て身構えるため、ネックライン割れで売りが集まりやすいのも理由だ。
とはいえ「強いパターンだから当たる」ではない。あくまでダブルトップと同じく、成立を待つ規律のほうが大事になる。
成立はネックライン割れ ― 右肩で先走らない
右肩ができかけたところで「三尊だ、天井だ」と売りたくなる。ここが罠。右肩がそのまま伸びて頭を超え、ただの上昇継続になることも普通にある。三尊が成立するのは、ネックラインを明確に下抜けたとき。それまでは、きれいに見えても“候補”のまま扱う。
右肩の“勢い低下”を裏取りする
三尊の信頼度は、右肩の弱さで測れる。頭より右肩が低いのは形の前提だが、そこにオシレーターの勢い低下が重なると、より崩れやすい。頭と右肩でダイバージェンス(価格は下がっているのにRSIは…など)や、MACDのヒストグラム縮小が見えれば、買いの息切れの裏取りになる。
形(三尊)と勢い(オシレーター)の2つが同じ方向を指したとき、ネックライン割れは素直に伸びやすい。
下げ幅の目安 ― 頭からネックラインの高さ分
成立後の目安は、ダブルトップと同じ考え方。頭の頂点からネックラインまでの高さと、同じだけネックラインから下が、下落の一つの目標になる。逆三尊なら上に同じ高さ分。出口の当たりを持っておくと、伸ばしすぎて利を溶かす失敗を避けやすい。
三尊の“割れ待ち”をデモで練習
きれいな三尊ほど、右肩で先走って売りたくなる。TradersHighのデモバトルで、ネックライン割れを待って入る型を反復しよう。先走って負けた回数を記録して減らすほど、成績は安定してくる。
よくある質問
Q.左右の肩は同じ高さじゃないとダメ?
厳密に同じである必要はない。だいたい同じくらいで、どちらも頭より低ければいい。教科書どおりの完璧な形はむしろ稀。形にこだわりすぎず、ネックライン割れで判断する。
Q.ネックラインが斜めになっている。どう引く?
左右の谷を結べば、多少斜めでも問題ない。水平でなくても、そのラインを明確に割ったかどうかで成立を判断する。ヒゲだけの一瞬の割れは疑う。
Q.三尊とダブルトップ、どっちを優先して見る?
出ているほうを見ればいい。両方とも「ネックライン割れで成立」という判断は共通。三尊のほうが攻防が多いぶん信頼されやすいが、待つ規律が大事なのはどちらも同じ。